階段のぼりかけ

ただのチャットモンチーファンブログです

『CHATMONCHY LAST ONEMAN LIVE 〜I Love CHATMONCHY〜』(Visual / 2018)

 ▶︎ふたりだけどふたり (だけ) じゃない

 

あの一夜から早3ヶ月半、また2人に会える時がやってきました。

 

CHATMONCHY LAST ONEMAN LIVE ~I Love CHATMONCHY~ [DVD]

 

 

2018/7/4に聖地・日本武道館で行われたチャットモンチーのラストワンマンライブを全編収録した映像作品です (DVD / BDの2形態)。リリースは2018/10/24。自分が行けたライブの映像作品がリリースされるのって嬉しいですね。自分はあの辺から見てたなあとか思ったり。

 

冒頭には「また2人に会える」と書きましたが、当日の模様はWOWOWでの生中継もあったので録画して何度も見た、なんて方も多いでしょう、ワタシもそうです。とはいえ生中継版とは編集も違うとのアナウンスもあり、また新鮮な映像として見れるのではないでしょうか*1

  

さてそんなラストワンマンですが、ライブそのものの感想についてはあの日、終演後に一気に書いたので改めては書かないつもりです。あの時の熱量を越えれられるとも思わないですし。もし読みたいという方はちょっと長いですけど下のリンクからどうぞ (ちなみに①〜③まであります)。なので今回は、このパッケージ版の何がいいのかについて書いていきます。

 

ddfl.hatenablog.com

 

▶︎ふたりじゃない①

 

ライブの内容・セットリストの素晴らしさはもちろんですが、ワタシ的に購入してよかったなと思ったのは、付属していたブックレットの内容でした。縁の深いライター・兵庫慎司さんによるライナーノーツ、おなじみ (?) の舞台監督・萩原克彦さんのインタビューで構成されているのですが、ライブを見るだけでは分からない、あの晴れ舞台の裏にどんな試行錯誤があったのかを知ることができます。ライブに感動した人にこそ、ぜひ読んでほしいです。

 

ワタシが萩原さんのインタビューで特に印象的だったことが2点あります。まず、機材の技術進歩によってあの3面緞帳の上げ下げができたということ。さも当たり前のように見ていましたが、緞帳をゆっくり上げ下げするのだってここ10年くらいの技術なのだそう。当たり前のことといえば当たり前のことなのですが、テクノロジーの進歩によって可能になる演出というのもあるのですね。

 

そしてもうひとつ。この武道館公演はエンドロールとして"びろうど"が流れましたが、これは萩原さんのアイデアだったということ。アルバム『誕生』の収録曲で唯一この曲は演奏されませんでしたが*2、"びろうど"を気に入っていた萩原さんの意向で何とか武道館で流したいと形を探った結果、あのような形になったとのことでした。

 

ワタシも"びろうど"は大好きで、かつチャットはまだこんな扉を開けるのかと度肝を抜かれた曲だったのであの場、あの瞬間に聴けてとても嬉しかったことを覚えています。終演後に書いたこのブログのセットリストにも嬉しげに"びろうど (from Tape)"って書きましたし!!!

 

そうそう、初回版にはフォトグラファー古溪一道さん、上山陽介さんの撮った写真を収めた豪華40pのフォトブックも同梱されます。発売直後にはオンラインショップが品薄状態になっていたようですが、もし機会があるならばこちらの入手をおすすめします。

 

…とこのように、チャットに関わってきたスタッフの多くが集結して、このパッケージを作り上げています。2011年のYOU MORE前線〜2012年の二人体制期でしょうか、チャットは裏方さんにもフォーカスする動きをしていましたが、最後までそのリスペクトの姿勢を貫いたのだと思います。多くの人が「完結」に際してリスペクトの言葉を寄せていたのも、その姿勢の表れだったのではないでしょうか。

 

 ▶︎ふたりじゃない②

 

 ライブそのものの感想は書かない、と書きましたが、とはいえセットリストに触れないわけにはいきません。この夜プレイされたのは全20曲と、解散を控えたバンドのラストワンマンとしてはそこまで多い曲数ではありませんでした*3。しかし、そこにはこれまでの歩みが凝縮されており、さすがと言う他ないようなリストだったのです。

 

開演前のメッセージとして、"私たちのこれまでと、皆さんのこれからが交わる、輝かしい1日になりますように。" と映されたことが象徴的なように、チャットは変化の多いバンドだったことは殊更説明する必要はないでしょう。

 

3ピース、二人体制、男陣 / 乙女団*4、そしてチャットモンチー・メカ。これらに加えさらにこの日はこれまで誰も見たことのない、"チャットモンチー・アンサンブル"という編成も披露されました。「よくぞそこまでご丁寧に」と頭を下げたくなるくらい、その全てを網羅しています。

 

編成だけではありません。『共鳴』より"例えば、"が、『誕生』より"クッキング・ララ"が披露されるなど、キャリアの中でも作詞提供や客演があった曲もプレイされています。提供で言えば"砂鉄"もそうか。ワタシは"例えば、"を去年よく聴いたリストにも選出したくらい好きなので、演ってくれて嬉しかったなあ。 そもそも「プレイされるかも?」とすら思っていなかったので。

 

そして最後の"サラバ青春"。ピアノと歌だけで演奏されましたが、そういえばこの組み合わせはまだチャットがアマチュアの頃、くみこんが加入する直前のライブを行った編成でもありました。そしてこのライブを見たことが、彼女の加入のきっかけだったはず。このあたりは徳島新聞webで連載していた記事に詳しいのでぜひそちらを。

 

↓そのリンク。

チャットモンチーになりたい~第3章~ チャットモンチーのよまなそんそん新聞【5】最終回|徳島の話題,文化・芸能|チャットモンチー|徳島新聞

 

この中であっこちゃんが、"また、15年前と同じことやっている、と思うと少し笑える。(後略)"と振り返っていますが、チャットモンチーのこれまでの、その勇敢な歩みが必然か偶然か全て揃っていたことに間違いはないでしょう。

 

途中でえっちゃんが声を詰まらせた時、それまで控えめだった会場の声のボリュームがぐわーっと上がったのも、感動的な一場面でしたね。感想にも書きましたが、チャットの演奏でチャットの曲を歌えるなんて、これから先にあるかどうかなんて分かりませんから、ワタシは恩返しの気持ちで歌いました。みなさんはどうでしたか?

 

約2時間全20曲、チャットがチャットらしく駆け抜けていったライブだったと思います。アーティストとしてのエゴもプライドも、親しみやすい楽しさも、そのどちらもが両立していたとワタシは思うのです。

 

 

…なんか結局そこそこの文量になりました。読んでくれてどうもありがとう。映像ベストは残念ながら再度の延期となってしまいましたが、来週には音源ベストもリリースされることですし、この2週間はチャット尽くしになりそうですね。

 

実はもう書籍『チャットとモンチー』も入手済みなのですが、あまりの分厚さにまだ読みきれていない状況です。こちらも読破次第感想を書こうと思っているので、よろしければまた覗きにきてくださいな。それではこのへんで。

 

 

 

↓ダイジェスト

www.youtube.com

 

 

 

*1:ちなみに、こちらのパッケージ版だと演奏のミスが修正されていたりするので、よりロウ (raw : 生) なものが見たい人はWOWOWでの再放送もチェックしてみよう。

*2:なぜやらなかったのかという理由も語られていましたが、これは実際に自分の目で見た方がいい類の話だったのでここには書かないでおきます。ネガティブな理由では決してないのですが、すごくえっちゃんらしい理由でした。

*3:しかもこのうち、序盤は『誕生』の (ほぼ) 再現を含む。

*4:乙女団メンバーの世武裕子さんがこの日のストリングス・アレンジを担当したのです。