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ただのチャットモンチーファンブログです

『CHATMONCHY Tribute〜My CHATMONCHY〜』(Various / 2018)

CHATMONCHY Tribute 〜My CHATMONCHY〜

 

 チャットモンチー初のトリビュート盤、『CHATMONCHY Tribute〜My CHATMONCHY〜』がついに発売されましたね。公式のインタビューも読み応えがあるので、未読の方はぜひ読んでみてください。ワタシ的には実際に聴きながら読むか、もしくは聴いてから読むことをオススメしたいと思います。

 

↓オフィシャル・インタビュー

CHATMONCHY Tribute 〜My CHATMONCHY〜 オフィシャル・インタビュー | チャットモンチー

 

 

 冒頭で「ついに発売」なんて書いたのも、納得してもらえるでしょうか。なぜならトリビュート盤のリリースをするぞ、という初報が出たのは昨年の11月なのです。実際のリリースまでは結構時間かかりましたね。

 

 それもそのはずで、このトリビュートは参加アーティストの一般公募を行ったからです…なんてことはみなさんご存知でしょう (スケジュールは相当タイトだったはず、募集に送った人たちすごい)。ワタシの知る限り、トリビュートの企画で参加者の募集をやるアーティストなんて初めてだったので「思い切ったことをやるんだなあ」と思いました*1

 

 なんでこんな書き出しなのかというと、これはワタシ的には久々のチャットのリリースをリアルタイムで聴ける経験なのです (そしてあと1回しかないであろう、泣)。折角なのでトリビュート盤に関する情報を時系列順に見てみることにします。いつもながら何が折角なのでしょうね。そんなのどうでもいいやって人は最後に各曲感想があるので、そこだけ読んでってもいいのではないでしょうか。

 

 

 

 まず、1/9に公募の〆切がありました。ここは特に書くことはないです。

 

 次報が出たのは約2週間後の1/22、『CHATMONCHY Tribute ~I Love CHATMONCHY~』というタイトルで3月の終わりにリリースされることと、第1弾の参加アーティストが発表されました。この時発表されたのは以下のアーティストでしたね。

 

川谷絵音

ギターウルフ

きのこ帝国

グループ魂

集団行動

CHAI

ねごと

Hump Back

People In The Box

フジファブリック

Homecomings

YOUR SONG IS GOOD

忘れらんねえよ

参加アーティストオーディション最優秀アーティスト 2組

  

 ワタシはこの時点で意表を突かれた感がありました。かつてチャットが“息子”で参加した『奥田民生・カバーズ』のように、それこそASIAN KUNG-FU GENERATIONBase Ball Bearといった、縁の深いアーティストを呼ぶのかなあと思っていたので、どちらかというとチャットよりも若手、もしくは (ほぼ) 同期のバンドが多めのラインナップは正直予想外でした。

 完結を発表しているとはいえ、総決算のようなお祭り感のあるトリビュートになるのではなく、若手のフックアップも狙った攻めの内容になるのではと、この発表でワタシの中の軌道が修正されました。発表時に参加アーティストがSNSに投稿した内容も、「チャットは青春だった」というものが多かったことも、若手中心の裏付けだと言っていいのではないでしょうか。

 

 そして2/16に全アーティスト&参加曲とその曲順、ジャケットおよびタイトル変更が発表されました。ぶっちゃけ、非常に些細な変更ですが、届く音源に各バンドのカラーがよく出ていたこと、そして、あっこちゃん (福岡晃子) 曰く「“I Love〜”だとなんかウチらに言わされてる感ある」(オフィシャル・インタビューより) とのこともあり、変更になったそうです。

 ワタシ的には『I Love〜』も良かったのだけれど。だって「I Love CHATMONCHY」って言いたいのはリスナーも同じだよ!

 

 閑話休題。これだけ期待の高まったトリビュート、しかしワタシの胸に去来してきたのは「もし全然チャットのことを分かってないようなカバーが入ってたらどうしよう…」とかいう不安でした。この驕りに驕った感想!お前はどうなのかと。失礼極まりないですね。

 しかし思えばワタシは今まで、思い入れの強いアーティストがカバーされる側のトリビュート盤を聴いたことはなかったのです。しかもリアルタイム。逆はいくらでもありました。それこそ『奥田民生・カバーズ』とかね。

 なので今までは「わあ、あの曲をカバーするんだ、楽しみだなあ」とか「知らない曲やるんだ、原曲聴かなきゃ」みたいなノンキな構えでいられたのですが、いざここまで思い入れが強いアーティストがカバーされるとなると、何か不安とか感じ始めちゃうのですね。何事も経験です。

 

 そして3月に入り発売1週間前。ダイジェストの公開がありましたが、もうワタシはトリビュートに関する全ての情報をシャットアウトしていました。だってここまで待ったのにつまみ食いなんて勿体ない。 こなそんフェスの第1弾発表があっても、“I Laugh You”のタイトル発表があってもダイジェストにだけは手を出さない、というか何でこのタイミングでそんな重大なニュースばっかり出てくるんだ…ニュース全断ちしてなくてよかった…。

 

 そうしてついに万感の思い (大袈裟) で迎えた発売日、ここまで既に約1900字くらいあるのですが、冗長なのは許してね。話を戻します。早速入手し再生する。全16曲、ランニングタイムは1時間弱と中々のボリュームながら長さを感じさせない充実の内容で、あっという間にギターウルフの“東京ハチミツオーケストラ”まで辿り着く。一聴したところ、M-11、Hump Backの“湯気”が最も好みでした。あとはM-5、Homecomingsの“惚たる蛍”やM-14、きのこ帝国の“染まるよ”も白眉。参加アーティストはほぼ男女半々なのですが、個人的には女性ボーカルのカバーに好きなものが多かったです。

 

 そして聴くまでは全く考えてなかったけれど、想像以上にこの盤にはアルバムとしての流れが存在しているのです。M-2、CHAIの“Make Up! Make Up!”〜M-3、ねごとの“シャングリラ”はエレクトロの流れだし、M-6、ペペッターズ (一般公募枠) の“こころとあたま”〜M-10、川谷絵音の“真夜中遊園地”まででは、本家チャットではあまり見られないファンクビートが多用されています。なので、このトリビュート盤もオリジナルアルバムと同様に、1枚のアルバムとしても聴き応えのあるリスニング体験をもたらしてくれることでしょう (カメラ目線)。

 

 もし未聴の人がいればネタバレになってしまうことを書くのですが、そういうのはやめとこうという人はこの段落を飛ばしてくださいね。いちおう区切りはつけておきます。

 

 

 

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 もうひとつ特徴的なのが、他曲のフレーズを挿入したカバーをしているアーティストが2組もいた、というところでしょう。M-4、People In The Boxの“初日の出”で中間部に“世界が終わる夜に”のリフが、M-5、Homecomingsの“惚たる蛍”でアウトロに“春夏秋*2”のドラムフレーズが挿入されています。特に“惚たる蛍”における引用は素晴らしいですね!どちらもえっちゃん (橋本絵莉子) の作詞だということを踏まえたものだと思います。初期の佳曲をリンクさせるという発想がワタシ的には嬉しいし、チャットのことをかなり聴いていないと思いつかないアレンジでしょう。

 

 

 

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 聴いてみて予想外だったことがもうひとつあります。ワタシは聴く前の予想として「若手のフックアップを狙っている」と書きましたが、実際に聴き終えてみての感想は「別に若手とかベテランとか関係なくいいものはいいじゃん…?」でした。もちろんフックアップの側面はあると思いますし、HomecomingsやHump Backを知れたのは完全に収穫でした。

 けれど、やはり印象を決定するのは曲に他ならず、それぞれのアーティストによるチャットへの愛情が、アルバムの主題になっているのがいいですね。好きなものを同じように好きだと言ってくれる人がいることは、やっぱり嬉しいのです。グループ魂とかよくぞやってくれたと思うのですが、どうでしょう。

 

 トータルとしての感想は、収録曲はすべて知っているはずの曲なのに、懐かしさは不思議と皆無で新しい表情を見れたなというものなのです (これは本家チャットに対する思い入れが強すぎるせいかもしれない)。チャットが好きな人も、チャットは知らないけど好きなアーティストが参加しているという人も、どちらも楽しめる好盤だと思います。オフィシャルによると品薄状態もあったとのことですが (4/3時点)、購入を迷っている方はぜひ。

 

 感想よりも前日談のほうが長かった気もしますが、これにて本編は終了。最後に各曲ひとこと感想を載せてこのエントリを締めようと思います。読んでくれてどうもありがとう。

 

 

 

おまけ

 

カバー曲のアルバム割合です*3。ワタシの好きな『YOU MORE』の曲を誰もやっていない…!残念。そしてやはり『生命力』強し。

 

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全曲ひとこと感想コーナー

 

M-1ハナノユメ” / 忘れらんねえよ

 

 チャットのデビュー曲が1曲目というこのトリビュート、カバーしたのはチャットに出会ってバンドを始めたという忘れらんねえよです。男性ボーカルながら、原曲のキーでカバーという意気込み。オフィシャルのインタビューでも触れられていますが、とにかく熱量がすごいです。

 

 ただ、ワタシはスタジオ音源 (ざっくり言えば、ライブ録音ではないもの) に関しては「繰り返し聴けるもの」原理主義者なので、一回聴けば充分かなあというのが偽らざる感想です。単純にワタシの趣味に合わなかったというだけのことですが。リスペクトの気持ちはクールなもののほうが好みです。まだチャットにさよならって言わないで!早いよ!

 

M-2 “Make Up!Make Up!” / CHAI

 

 去年から各所を騒がせていたCHAIですが、このトリビュートに参加すると報じられてから初めて音源を聴きました。「ヤバい、絶対天才じゃん」というのが感想です。好きなものだけ集めてできたような音楽だと思います、超ハイセンス。

 

 さてそんなCHAIの“Make Up!Make Up!”ですが、これはかなりのハマり役だったと思います。歌詞のテーマもそうだし、みんなで歌える感じにしてるのもいい感じ。サビのリズムが原曲と違いすぎて笑えるけど、いいアレンジだなあ。『VIEW MORE』のアメリカツアードキュメンタリーを見る限り、“Make Up!Make Up!”はアメリカのオーディエンスに受けていたので、CHAIもまたアメリカに行くことがあればやってみてはどうでしょう。

 

M-3 “シャングリラ” / ねごと

 

 個人的にチャットの代表曲とは“シャングリラ”、そして“染まるよ”だと思うのだけれど、その2曲ともが入っているのがこのトリビュートの偉いところですね (何様)。どんなトリビュートアルバムでも、代表曲をカバーするアーティストにはそれなりの勇気が要るはずだけど、それを引き受けたねごとときのこ帝国はすごいと思います。

 

 そして肝心のアレンジですが、構成やそもそもの方針はあまり変えないけれど、ねごとの方法論でカバーした“シャングリラ”といった趣です。とはいえワタシのねごとに対する知識は“ループ”で止まっているので、方法論とか偉そうに言えないのだけど。

 まあそれはさておき、本家と何が一番違うかというと余裕があるかないか、でしょう。一応言っておきますがワタシは本気です。『鳴るほど』でのドキュメンタリーで印象的だった、えっちゃんの「“シャングリラ”を一生懸命歌っていた」という発言が象徴していますが、チャットの曲ってやっぱり必死さがどこかに見えるのです。誤解してほしくないのはねごとが一生懸命ではない、とか言いたいのではなく、そういう切迫感のある曲に対して、軽やかさでもってカバーしたところが面白いなあと思うのです。インタビューでもえっちゃんが言っていたけど、それでいて堂々としているのが素晴らしいですね。間奏のギターもかっこいい。

 

M-4 “初日の出” / People In The Box

 

 間奏で“世界が終わる夜に”のリフが聴こえてきた時、一瞬「ん?聴いたことあるぞ」となったPeople In The Boxの“初日の出”。本エントリの中では書きませんでしたが、ワタシは他の曲のフレーズを引用してくるアレンジに対しては懐疑的な性質なので (リフはその曲の中でのみ完結してほしい)、正直なところ蛇足感があったことは否めないです。というより、“初日の出”と“世界が終わる夜に”を持ってくる必然性が感じられなかったというのが大きいですが。

 

 けれど、スネアが効いたアレンジは独特で強烈です。People In the Boxはかつて『Ghost Apple』を聴いたことがあるのみですが、久々に聴いてみたくなりました。

 

M-5 “惚たる蛍” / Homecomings

 

 People In The Boxに文句つけといてアレですが、“惚たる蛍”に“春夏秋”を繋げるアレンジは素晴らしいと思いました。まあこれは完全に、ワタシが誰作詞なのかということを重要視しているからですね。

 

 アレンジも原曲とはかなり違うものですが、かえって「あれ?原曲もこうだっけ?」と思わせてしまうほど自然なアレンジになっています。“惚たる蛍”の肝は、1サビ抜け後の“ 地と空の間を飛んだ〜”のフレーズのコーラスだと思うのですが、そこがちゃんと活かされているのが嬉しい。

 

M-6 “こころとあたま” / ペペッターズ

 

 公募枠1組目。おそらくこのアルバム1の洒脱なアレンジです。“こころとあたま”は大好きな曲ですが、新しい曲ゆえに誰もやらないかなあと思っていたところ、まさかの公募枠から選出されるとは。ナイス選曲。

 

 アップテンポな原曲から一転、ファンクなノリに変換されていますがこれが結構なハマり方。それでいて原曲のフレーズをきっちり入れているのが、丁寧さと熱意を感じます。

 

M-7 “バスロマンス (inst.)” / YOUR SONG IS GOOD

 

 タイトルにあるとおりですがインスト。チャットがかつて“サラバ青春”をピアニカ込みのアレンジで披露したことがありますが*4、ここでもピアニカが活躍。すぐ後の曲がフジファブリックのパワフルな“きらきらひかれ”ということもあり、一旦アルバムはここでチルアウトですね。裏打ちのギターが好みです。

 

M-8 “きらきらひかれ” / フジファブリック

 

 山内総一郎氏 (Gt./Vo.) のストレートな歌唱が光るカバー。これもかなりのハマり役でしょう。フジファブリック側の選曲だと思うのですが、この曲を選べるあたりに自信を感じます。ともすれば力技感もあった『変身』の曲を、それならばパワフルにカバーしちゃえといった意気込みがありますね。

 

 ところで、ドラム叩いているのはBOBO氏じゃないか!

 

M-9 “世界が終わる夜に” / 集団行動

 

 参加が発表された時、集団行動って誰だろう?となりましたが、真部脩一氏が結成したバンドと知ってびっくりしました。おそらく、相対性理論の初期メインコンポーザー (現在は脱退していますが) と聞けば納得する方も多いでしょう。

 

 ライブでは再現できないのではないかと思うほど多種な楽器が駆使されていますが、個人的に注目したいのは大サビ前のブレイクでリフが帰ってくるところです。まるで元からそこにあったかの如くに鳴っているので、思わず原曲を確かめましたがそっちでは鳴ってないですね。この当てはめ方はちょっとしたパズルみたいです。

 

M-10 “真夜中遊園地” / 川谷絵音

 

 ここに関してはまず断らせてください、ネガティブなことを書きます。一応最初に要約しておけば、単純にワタシの趣味に合わなかったというだけのことです。その理由をつらつら書くだけなので、「そういうのはいらんわ」って人は飛ばしてください。

 

 

 

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 本文のほうにも書きましたが、参加アーティストの発表があった時に各アーティストがSNS等でコメントを発表しており、チャットの公式twitterがそれを拾っていたのでワタシも読むことができたわけです。その流れで川谷氏もコメントを発していたのですが、どうしてもワタシはそれが肌に合わなかったのですね (ここで引用はしないです、発言のアラ探しみたいになってしまうので)。簡単に言えば氏の投稿した表現に、こんなブログでぐだぐだと長文を書くことでしかチャットが好きだという気持ちを表現できないワタシ自身のネガティヴィティを発見してしまうのです*5。自己嫌悪。

 

 なので、どーしても不信感を払拭できないままかなり期待値低めで聴いたのですが、その評価が覆ることはなかったです。展開が多い割にはそれぞれのリフレインにおいてあまり変化の少ないアレンジは、ワタシ的には構築力不足でした。しかし、これはただの趣味の違い以上のことはありません。こういうことは長々と書いても仕方ないので、ここで終わりです。

 

 

 

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M-11 “湯気” / Hump Back

 

 買って以来、このアルバムで一番聴いてます。ほぼ原曲のままなカバーだけど、随所に変更が加えられていてそれがいちいち素晴らしい。ワタシはチャットの曲に込められた怒りのエッセンスが好きなのだけれど、同じように怒りをこのカバーから感じます。具体的に言うと、フレーズの終わりを短く吐き捨てる感じや、メロディーを半音フラットさせているところですね。やっぱり♭は怒りの音だなあと思います (同意してくれる人いるかなあ)。ファルセットと地声の使い分けもきっちりやってて、丁寧さと熱量のバランスが非常に好み。

 

 余談ですが、カウントで始まるところ*6や、ギターの音が武道館のライブ版にそっくりでびっくりしました。それを知ってて狙ったアレンジならすごすぎる。

 

M-12 “恋愛スピリッツ” / グループ魂

 

 何故か2ビートになってますが、そもそもインディーズ版の“恋愛スピリッツ”も2ビートが挿入されていたことを考えると原曲に最も忠実 (?) なカバー*7。アレンジが超粗いけど、盛り上げどころは外さないのでなんか悔しい。嘘、かっこいいです。コントなしバージョンも聴いてみたいけれど、ある意味コントが本体な部分もあるのでやむなしです。

 

 ブックレットの暴動氏 (クドカン / 宮藤官九郎氏のことだよ、一応) のコメントが秀逸ですが、「“恋愛スピリッツ”重っ」ということをコントで表現するとこうなるでしょう。もう10年以上前に作られた曲ですが、微妙に現代ナイズされた内容の掛け合いがあって笑える。これだけ盛り込んでおいて、6分に満たないコンパクトさなのもすごい。全然重くないのでリピートしてしまいます。

 

M-13 “余談 (チャットモンチー ver.)” / スチャダラパー

 

 “余談”を選曲するのがまたなんともシブいけれど、インタビューによるとスチャダラパーは自らの責任編集で『余談』というタイトルの雑誌を作っているとのことなので、それ込みの選曲なのでしょう。スチャットモンチーにはぶっとんだ“M4EVER”という曲が存在するので、“余談”もどうなることやらと思っていましたが、意外 (?) にも正統にリミックスといった感じです。そして前曲から2曲連続で、えっちゃんの声が聞こえてくるゾーンでもある。

 

M-14 “染まるよ” / きのこ帝国

 

 原曲キーより半音下げ。というかこのトリビュート、原曲キーでのカバーが多いですね。Hump Backのところに書いたけど、フラットは怒りの音なので本家とはまた違ったエモーションを感じさせます。

 

 けれど全体から感じる印象は余裕そのもの。何をもって判断するかはアレですけれど、アルバムを通して聴くときのこ帝国のレベルが一段抜けているように感じます。その中でも特筆すべきなのが、転調後のギターのオブリガートの美しさ。このアルバムで随一の構築美を感じる以上、もうべた褒めするしかないです。それくらい圧倒的なカバー。

 

M-15 “小さなキラキラ” / 月の満ちかけ

 

 公募枠2組目。ほぼ歌とピアノだけのアレンジ。公募枠に選ばれた2組が、それぞれに極端なアプローチ (もしかするとアルバムの両端かも) でもってカバーしているのが面白いですね。失礼な書き方かもしれませんが、トリビュートの中でもっともえっちゃんに歌い方が近い気がします。

 

 もうここまでくるとトリビュートも終わるのだなあと思うのですが、きのこ帝国と月の満ちかけがこの順で入っているおかげでアルバムが締まって聴こえますね。

 

M-16 “東京ハチミツオーケストラ” / ギターウルフ

 

 iTunesに入れたとき、アーティスト名がなぜかGuitar Wolfになってたギターウルフ (どうでもいい)。それぞれに面白かったこのトリビュート、そのすべてを吹き飛ばすかのような勢い。曲目が発表されたときから楽しみにしていましたが、これは予想できないよなあ。

 

 何がいちばんすごい (面白い) かというと、ド頭の“おろしたての スニーカー すぐに靴ずれ 頼りないなぁ”の「頼りないなぁ」を絶叫しているところですね。うん、そりゃあ叫びたくなるよね。しかもよく聞くと、「頼りないんだあ」って歌っている気がする。ついでに書いておくと、2番Aメロ“ここじゃ通用しないわ 母さん”のところも、何て歌っているかまったく分かりません。しかし、この曲がある限り、これが締めの曲になるのは当然でしょう!

 

 

 

※一応ダイジェスト貼ったけど、買うつもりなら見ないほうが楽しめそうよ

 

↓第1弾ダイジェスト

www.youtube.com

 

↓第2弾ダイジェスト

www.youtube.com

*1:よく考えてみればMVの公募もやったことありましたね

*2:ちなみに「はるなつあき」と読みます。『VIEW MORE』のコメンタリーで確認できる

*3:複数のアルバムに収録されている曲は初出のものを参照

*4:『表情』にも収録されているね

*5:ただのナルシシズムです

*6:厳密にはスティック / ハイハットの違いはあるが。

*7:おそらくグループ魂のメンバーは知らなかったのではないか