階段のぼりかけ

ただのチャットモンチーファンブログです

『チャットモンチー レストラン 前菜』(DVD / 2007)

 チャットモンチー初の映像作品となった今作は、『chatmonchy has come』から『生命力』までのMVをまとめたものになっています。

 

チャットモンチー レストラン 前菜 [DVD]

 

 一応チャットモンチーにはオフィシャルのYouTubeチャンネルがあり、今作に収録されているMVのほとんどはそこにアップされています。が、この『〜前菜』にはチャットモンチーの3人による副音声や、MVのメイキングが収録されているので、普通に見るだけでは分からないMVの裏側を見ることができるのですね。そしてこの副音声やメイキングが十分に面白いので、ファンならば買っても後悔することはないでしょう。ちなみに何故か、“ハナノユメ”だけはオフィシャルのYouTubeチャンネルにありません。謎。

 

 いつもは長ったらしい文章書いてますが、今回はホントにただの感想です。なのでリラックスしながらいきましょー。ただし、副音声とかメイキングのネタバレは全開でいきますので、そういうの要らないって方はブラウザバックをお願いします。

 

  

ハナノユメ (2005)

 

 1st Mini Album『chatmonchy has come』収録、クミコン (高橋久美子) 作詞。監督は福居英晃氏。

 

 えっちゃん (橋本絵莉子) の目尻が赤くて可愛い。ちなみにあの髪の長さはエクステ付けてるそうです。どのMVの副音声でもメイクや服の話してるのが聞いてて面白いですね。

 大サビ前のブレイクでペンキの卵を投げるシーンが印象的ですが、あの卵は相当の苦労作とのこと。ちなみに「たまごー!」と叫びながら投げてるらしいよ!メイキング見てみると3人とも超手投げですが、アクリル (?) の小さい的にちゃんと全弾命中してます。すごい。

 

恋の煙 (2006) 

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 1st Single、あっこちゃん (福岡晃子) 作詞。監督は“ハナノユメ”と同じく福居英晃氏。青色がクールなMVです。

 

 最初のカットに映るえっちゃんのエフェクターは右から順に、KORGのDT-10 (チューナー) 、LINE6のDM4 (歪み)、BOSSのDD-5 (ディレイ) 、VOXのv845 (ワウ) で多分合ってるハズ。VOXだけは自信ないけど、そもそもワタシはエフェクターを調べてどうするつもりだったのでしょう。あっこちゃんの足元はさらに分かりません。チューナーはえっちゃんと一緒?もしかしてギガディレイ置いてる?

 

 副音声で明らかになりますが、撮影場所はなんと消防署の会議室。そして3人とも結構薄着ですが、冬に撮ったのだそう。そう考えるとめっちゃ寒そうです。しかも、この時あっこちゃんはまだ大学生、まだまだ初々しさもあるカンジです。そういえばメイキングでえっちゃんが撮影前に“シャングリラ”のソロ弾いてますね。

 

恋愛スピリッツ (2006)

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 2nd Single、えっちゃん作詞。監督はセキ★リュウジ氏。クミコン曰く、「伝説の」MV。収録された『耳鳴り』は赤のジャケットなので赤の印象もある曲ですが、MVでは紺色のグラデーションが美しいですね。あとえっちゃんの目尻が赤くて可愛い (2回目)。

 

 そういえばその昔、まだYouTube等にSONY系のアーティストがチャンネルを持てなかった時代にMVを見る手段と言えば、MTVやスペシャといった音楽チャンネルで探すのが (ワタシにとっては) 一般的でした。新曲はリリースより早く放送される可能性があった一方、古いビデオはなかなか放送してくれません。再放送されるチャンスは、アルバムのリリース等に合わせたMV特集のみ。なので、アルバムのリリースが決まれば番組表をチェックし、特集があれば内容を検索し、望みのビデオがあれば喜び、なければ恨み、ひとたび録画できればとにかく大事にしていました。

 

 しかし、放送されるのはまだマシなほうで、MVの数が多いアーティストは定番のビデオばかり放送されて、なかなかお目当のビデオが放送されなかったりするのでした。この“恋愛スピリッツ”のMVは (たまたまかもしれませんが) なかなか放送されない枠のMVだったらしく、こうなると見る手段はHP (SONYの黒い背景のサイト覚えてるヒトいるかなあ) のショート版しかなかったのですね。

 

 言わずとも分かることですが、ショート版は所詮サンプルなので画質悪い、音質悪い、全部見れないのトリプルパンチなのです。けれど“恋愛スピリッツ”のショート版は、ちょうど大サビ前のブレイクのところで、“だからあなたを手放せない”のフレーズとともにえっちゃんのカットインが入るという、一番盛り上がるところが抜粋されており、「これで一部なら全体はどれだけ格好いいのだろう」とそれはもう妄想が膨らんだものです。

 その後MVのフルを見る機会が訪れ、いきなりの白い背景でのアカペラになんかドキドキしましたが、フルサイズはやはり剥き身の映像で想像以上に格好よく、ワタシ的ベストMVの五指に入る映像なのです。今見てもホントに素晴らしいなあ。

 

 それでも、この文章を書くにあたって久しぶりに見たショート版にも、当時のワクワクが思い出されて心動かされるものがあったのですね。やっぱり思い入れに勝るものってないです。

 

シャングリラ (2006)

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 3rd Single、クミコン作詞。監督は1作ぶり3作目、福居英晃氏。“ハナノユメ”のMVよりも明るい画面、表情。3人も撮影に慣れてきた頃なんでしょう。

 

 Cメロのえっちゃんが一人で映るシーンでの副音声が爆笑ものです。収録中もだったそうですが、あっこちゃんとクミコンが「可愛い可愛い」を連呼し、えっちゃんが「やめ」とか「こらっ」と言うのが最高に笑える。しかもえっちゃん、嫌な予感がしたのか直前に「ディズニー (っぽい)」と違う話を振ったのにアッサリ流されているのが笑いに拍車をかけます。

 

女子たちに明日はない (2007) 

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 4th Single、あっこちゃん作詞。監督は竹内鉄郎氏。チャットモンチー絡みで言えば、『チャットモンチー レストラン デザート』の企画でえっちゃんがカバーしていたウルフルズ、“サムライソウル”のMVも手掛けている監督ですね。

 

 ギターフリークえっちゃんが初めてレスポールを手にしたMV。玉投げつけられたり、プロボクサーと闘ってみたりとなかなかにファイティングな映像になっています。リングの上で演奏するチャットモンチーは常に誰か膝ついて演奏しており、パンクバンドチャットモンチーの一面を見ることができます (雑な感想だなあ)。壇上の100人から玉を投げつけられるチャットモンチーのカットがありますが、これは編集のなせる技であり実際にはスタッフが投げつけてるらしいですよっ。

 

とび魚のバタフライ (2007)

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 5th Single、あっこちゃん作詞。監督は“女子たちに明日はない”に引き続き竹内鉄郎氏。『ギャラリー茶友』に載ってる写真から判断すると、MVの撮影は2007年6月?でもリリースも同じ6月なんですが (正確には07年6月20日) …編集って意外と早くできるものなのでしょうか、どうなのでしょう。

 

 内容はチャットモンチー史上最も演技派?なMVです。衣装も6回着替えたのだとか。あっこちゃんが髪長いのですが、これはエクステだそうです。そして映像で見て気付きましたが、クロマティックランの後にあるフィルインはシンプルで格好いいですね。あと、間奏のブレイク前ではあっこちゃんの下降フレーズを弾いているところがソロカットされてるなど、結構アレンジに寄り添った映像ですね。

 

 3人それぞれのソロカットがかなりありますが、副音声でそれが映るたびに映ってる1人が「いややわあ」と言い、残る2人は「いいわあ」と言うのが面白いです。ただし、大サビ前でえっちゃんが自分のカットを見て「座敷童や」とつぶやいたところ、あっこちゃんとクミコンから「(嬉しそうに) 自分で言うなや」と総ツッコミ受けてます。爆笑。

 

世界が終わる夜に (2007) 

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 5th Single、あっこちゃん作詞。監督は宇野心平氏。全編アニメーションMV。

 

 副音声でも解説されていますが、イントロ〜Aメロの電柱が流れていくシーン、画面に映るタイミングがドラムと同期されています。これは言われるまで気づかなかった。芸が細かいですね。モノトーンとカラーが切り替わる演出も効果的ですが、その中でも最初はカラスだと思っていた鳥が、実は白いハトに影が落ちていたのだと分かるシーンがワタシは好きです。ハッとしちゃいますね。

 

橙 (2007)

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 6th Single、えっちゃん作詞。監督は番場秀一氏。

 

 最初にサブリミナル的に文字が表示されますが、「ル」「ボ (の反転文字)」「MC」ぐらいしかはっきり分かりません。あとは「ミ」やら「A」があるようなないような。並べてみても意味不明ですね。「MC」が「CM」なら「Chat Monchy」かなと思うのですが。

 

 監督は違うものの、同じえっちゃん作詞の“恋愛スピリッツ”MVのように演奏をストイックに映した映像になっており、もはや堂々とした風格も漂ってきています。でもメイキングを見ると結構のびのびと撮影に臨んでますね。最後の仲良さそうな光景が微笑ましいです。

 

 以上、『チャットモンチー レストラン 前菜』のザックリ感想大会でした。ちなみにチャットモンチーのレストランシリーズ、メニュー画面で限定BGMが流れるのが恒例となっているのですが、『〜前菜』に収録されているのは“お調子者”という曲です。そしてこのブログ、チャットモンチーの音源感想コンプリートも目標のひとつなので最後にいつものコーナーやりますね。読んでくれてどうもありがとう。

 

 

 

 

全曲ひとこと感想コーナー

 

“お調子者”

 

 作詞作曲はえっちゃん。穏やかな言葉と穏やかなアレンジに乗せて、夜中のヒャッハー的テンションが綴られる佳曲。こんなに明るいのにどこかに焦燥感を感じます。歌い出しを引用してみますね。

 

青信号にウインクされて

強い風に優しく言われた

今日はもう帰りなさいと

お調子者 / チャットモンチー

  

 何が良いって、全部よそから帰りなさいって言われてるのが良いです。しかも機械とか風とか、人以外から言われてるのがポイントでしょう。というか、言われてるように感じているのが重要で、要するにこの描写は葛藤の投影だと思うのですね。なんと言いましょう、こうしなければならない / こうするべきという自分の中の倫理・規範が“今日はもう帰りなさい”で、それに従い続けるのはとてもしんどいことなのです。なので、次がこういうフレーズになるのですね。

 

動き足りない体

だだをこねてすねる

もう今日は終わりなの

お調子者 / チャットモンチー

 

 「体」と出てきますが、これは倫理・規範の対です。ざっくり言えば欲求といったところでしょうか。これが満たされないから、“動き足りない”という、欠乏を感じる表現になっているのですね。けれど、先述のとおり「〜しなければならない」という規範に従うのはしんどいことなので、“だだをこねてすねる”となるのです。負けてるやん!なんてツッコミは野暮です。そして、最後サビはこうなります。

  

私まだ今日何もしてないよ

愛の告白も

きっと爪も髪も伸びてない

だから来ないで明日

満ちて眠るまで

お調子者 / チャットモンチー

 

 最後のラインに「満ちて」と出てきますが、これは先ほどの欠乏への対応ですね。ですが個人的にはそれ以上に、3段目のフレーズにグッときます。爪や髪が伸びるという、自分ではどうしようもないことが「きっと〜ない」の形で否定されているのが琴線に触れます。“だだをこねてすねる”の部分もそうなのですが、えっちゃんの歌詞におけるあけすけな無力さの表現がやっぱり好きだなあ。

 

 ちなみに、コード進行も結構面白くて、E♭-B-Bあたりをうろうろすると完コピできます。