階段のぼりかけ

ただのチャットモンチーファンブログです

『いっぴき』(Book / 2018)

 ムササビです。

いっぴき (ちくま文庫)

 

2018/6/10、筑摩書房より刊行。チャットモンチーを脱退し作家になってからの6年間、つまり2011年後半〜2018年前半までに書かれた文章が集められたエッセイです。帯はあっこちゃん、解説はえっちゃんということも話題になりました。"砂鉄"の歌詞提供も同時期でしたね。

 

6年分ということもあり、様々な時間の経過が見えるのがこのエッセイの面白いところです。がむしゃらさに溢れる前半から、後半に進むにつれ目に見えて文章が洗練されていく様は、見ていて痛快でさえあります*1。優れた器楽のプレイを見て得られる快感に近いといえば伝わるでしょうか。その一方で彼女の書く歌詞でも印象的な、軽快な比喩はいつどの時期の文章でも見られるので不思議と統一感もあるのです。

 

また、生活や表現の視点は内から外へと広がっていきます。それでいて3章では再びごくごく身近な話題に戻り、2018年版『思いつつ、嘆きつつ、走りつつ、』といった趣となるところに、1冊の本としてのリズムが感じられますね。

 

とまあ時間の経過による変化をおすすめしましたが、本人による前書きにもある通りにどこから読んでも楽しめるのも間違いないので、つまみ喰い的に気になるところから読むのもまた一興でしょう。かくいうワタシも3章から読み始めましたし。

 

 さて、そんな『いっぴき』ですがワタシ的に印象的だったのは、1章収録の"書かなくなる日が来るとしたら"でした。"ハナノユメ"や"片道切符"の原型が大学時代に作られたという記述も個人的には初耳で嬉しかったのですが、それはちょっと置いておきましょう*2

 

印象的だったのは歌詞の初出の話ではなくて、彼女が「歌詞と詩は似て非なるもの。(p.20)」と書いていたことでした。これはえっちゃんが解説で「チャットモンチーの歌詞は、詩として成立しているものが多くて、(後略) (p.342)」と書いていることとはやや対照的で、その両者が1冊の中に共存しているのが面白かったです。

 

このブログの古い記事を知っている人はお分かりだと思いますが、ワタシはえっちゃんの歌詞に惹かれてチャットモンチーを好きになった人間なのですね。そんなワタシですが歌詞と詩に対するスタンスはくみこんの方に近くて、歌詞と詩は別物だと思っています。

 

歌詞においても詩においても重要なのは、その選ばれた言葉によるリズムでしょう。ワタシの好きな萩原朔太郎さんも、『月に吠える』の序文で以下のように書いています。

 

私の詩の読者にのぞむ所は、詩の表面に表はれた概念や「ことがら」ではなくして、内部の核心である感情そのものに感触してもらひたいことである。私の心の「かなしみ」「よろこび」「さびしみ」「おそれ」その他言葉や文章では言ひ現はしがたい複雑した特種の感情を、私は自分の詩のリズムによつて表現する。併しリズムは説明ではない。リズムは以心伝心である。そのリズムを無言で感知することの出来る人とのみ、私は手をとつて語り合ふことができる。

 

萩原朔太郎著『月に吠える』(1917)  より引用

 

 

しかし、歌詞はメロディや和音などといった音楽的要素によってもリズムを表現することができます。雑な例えではありますが、コーラスで曲名を連呼するだけの曲にも謎の高揚感があるように、やはり歌詞は歌われて何ぼのものでしょう。そこが歌詞と詩の一番大きな違いだと思うのです。もちろん、どちらが優れているなどといった話ではないですが。

 

...こんな感じでこの章に限らず、随所で綴られる創作観がワタシのアンテナにはよくひっかかりましたね*3。このブログ的にはこれが平常運転です。あとは大学時代の軽音部の話が、いつの時代どこの大学生も変わらないなあと親近感湧きました。彼女の創作や表現の裏側も垣間見えるこのエッセイ、未読の方いらしたらぜひ手にとってみることをおすすめして、このエントリを締めようと思います。読んでくれてどうもありがとう。

 

 

 

*1:この表現が正しいかどうかはさておき

*2:ワタシはチャットの歌詞がいつ頃書かれたか知りたいオタクです

*3:とある章でMEGADETHDOKKENといった名前が出てきてびっくり。チャットモンチーのエクストリーム成分の多くはえっちゃんによるものと思っていたので

こなそんフェス2018のオフィシャル・レポートが公開他

もうこなそんから1週間以上経ったんですね。早いような、やっぱり早いようなです。

 

さて、そんなチャットのラストステージとなったこなそんフェスのオフィシャル・ライブレポートが公開されました。

 

↓リンクです

チャットモンチーのこなそんフェス2018レポート | CHATMONCHY

 

レポートの文章は本間夕子さん、写真は古溪一道さんと上山陽介さん。チャットにまつわる文章ではおなじみの顔ぶれですね。

 

特に、チャットや各バンドのMCがこと細かに載っているのがオフィシャルならではでいいですね。ワタシのブログでも2日間の感想は書いたのだけれど、MCとかは間違った意図が伝わったら嫌だなあと思ってほぼほぼカットしました。特に面白かった / 良かったyonigeやHump BackのMCは、ぜひこのオフィシャルのレポートで確認or再確認してみてください。

 

というだけの、短い紹介記事を書こうと思いましたがせっかくなのでもう1つ。徳島新聞webでの連載の最終回が更新されていました。なお、公開されたのは21日、つまりこなそんフェス当日ですね。

 

↓リンクです

チャットモンチーになりたい~第3章~ チャットモンチーのよまなそんそん新聞【5】最終回|徳島の話題,文化・芸能|チャットモンチー|徳島新聞

 

早速こなそんフェスの写真も使われているこの記事、担当したのはあっこちゃんです。くみこんとの出会いについて触れられており、武道館についても書かれているのでこちらでも余韻に浸ってみるのが乙でしょう。

 

以上、チャットにまつわる記事紹介でした。

こなそんフェス2日目 at アスティとくしま 2018/07/22 感想

2日目の感想です。初日の感想はこちら↓

ddfl.hatenablog.com

 

 前日は買えなかったグッズを買うべく、早起きしてアスティに向かおうと思うも二度寝×2で結局全然早くない時間の出発に。MLBの中継をだらだら見てましたが、エンゼルスグランドスラムを被弾したところでTVを消し、アスティに向かう。行きのバスの運転手さんが阿波弁をいろいろ紹介してくれてちょっと和みました。

 

ほどなくして会場に着くと、すでにグッズの待機列がとんでもない。今日も無理だなと早めに観念しました。サラバちゃんくまTシャツ。

 

そんな訳でそそくさとリストバンドを交換し、12時頃には会場入りしました。今日の席を確認すると、前日 (中央ブロック) とはうって変わって端のブロックの端っこも端っこ。これステージが見切れるやつじゃん。ラストステージの今日こそ真ん中で見たかったな...とか思っていましたが、この思いは意外なほうへと向かうのでした。

 

開演は13時なので、そこそこ手持ち無沙汰に。外のフードエリアは大層な人混みだったので、屋内で昼食にしようと思い、こなそんショップさんでフィッシュカツを頂く。が、これが思いがけず大ヒット。香辛料の効いたパンチのある味で、なかなかクセになりそうな味でした。実はこの日、もう一回食べようと思って再び店を覗きましたが、既に売り切れていたようで残念でした。美味しかったです。

 

さて、再び会場の話へ戻ります。この日も開演前に、チャットのふたりが前説に上がりました。本日のMC、宇都宮まきさんと共に注意事項の説明をしてから、遂に2日目の火蓋が切って落とされました。

 

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こなそんフェス1日目 at アスティとくしま 2018/07/21 感想

チャットモンチー最後の勇姿を見るべく、徳島に上陸してきました。

 

当日の開場は11時。ですが当のワタシは11時になってもまだ徳島を目指すバスの中でした。まあ開演は13時だし、間に合うでしょうと呑気に構えていました。

 

間に合いました (何のフリだったんだ)。徳島駅からの臨時バスはかなり混み合っていましたが、開演までには余裕で辿り着く。リストバンド交換もまあまあスムーズに完了。

 

ただし、グッズの待機列がとんでもないことになっていました。すだちちゃんくまTシャツが欲しかったのだけれど、止むを得ず断念。空いたら様子を見に行こうと思っていましたが、その時にはもう売り切れとなっていました。いと悲し。

 

ところで、会場の1階アリーナ部分は全席指定となっていました。恥ずかしながらワタシ、チケットに席番号が記載されていることに気づいたのが前日だった*1 (スタンディングかと思ってた) ので、自分の席がどの辺りかを確認すると中央ブロックの結構前の方でラッキーでした。

 

そして13時。前説としてチャットのおふたりと初日のMC、小藪千豊さんが登場。注意事項などを説明したのち、最初のライブアクトが呼び込まれました。

 

*1:そんなことってある?あるのだなあ

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都合のいいインタビュイー (アクセス数の話とか)

※本エントリはインタビュー形式でお送りします。●→インタビュアー、「」→ワタシの発言です。なお、言うまでもないと思いますが自演です。

 

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「お気づきの人もいるでしょうか、ブログアイコンを作りました」

 

● タブとかに表示されるやつですね。自分で作ったんですか?

 

「10分もかからずにできましたね。これでちょっとはブログっぽくなったかな?」

 

● あるのとないのでは気持ちの入り方も違いますもんね。

 

「そういえば、この間ちょっとアクセス数の話をしたじゃないですか」

 

● していましたね。今年の4月以降増えているって。

 

「7月に入ってから1日のアクセス数の最高を更新したんですよ」

 

● 武道館の次の日ですね。初めて100を超えました。

 

「1日に1000件も10000件もアクセスのあるブログからすると大した数じゃないと思いますが、やっぱり嬉しかったですねえ。ちょっとグラフ見てみますか?」

 

● え、そういうのって具体的にしないほうがいいのでは...?

 

「何をおっしゃいますか。1日に20アクセス前後のブログに失うものなどないです。それに、他人の芝の青さは気になるでしょう」

 

● まあ、何事も自分を雑に扱うのはほどほどにしてくださいね。

 

「じゃあ、見てみましょう」

 

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● あとちょっとで2000アクセスに達しますね。

 

「ありがたい限りです。ところで、このグラフを見て何か気づくことはないですか?」

 

● うーん、いくつか山があるってことですかね?それとも、極端に多い日があるってことですか?

 

「そのどちらもが正解です。もうひとつ分かりやすいグラフを用意したので、そっちも見てみましょう」

 

● (無駄に用意がいいな...)

 

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「これで分かりやすくなったでしょうか」

 

● なるほど。大きいイベントがあると、アクセス数も増えるんですね。

 

「より正確に言うと、大きいイベントの翌日ですね。グラフ上では『誕生』のリリース日が山の頂点になっていますが、実際のところは前日がCDの店着日なので、イベントの翌日と言っていいでしょう」

 

● ダイレクトに出るものなんですね。

 

「うちでさえこの傾向なのだから、大きいブログなんかはもっとすごいでしょうね」

 

● やっぱり、みんな当日はそのイベントを楽しんで、感想とかを見るのは翌日以降ということなんですかね。

 

「そういうことでしょうね。武道館の感想1本目は終演後に朝4時くらいまでかかって書いたんですけど、読んでくれた人が結構いたみたいで報われました」

 

● 『誕生』も、翌日くらいにはアップできましたもんね。

 

「ただ、あの『誕生』のレビューはほとんど読まれていないみたいです。かなしい」

 

● え?何でですか。

 

はてなブログをやっている人は分かると思うのだけれど、どこからどの記事にアクセスしたかが分かるようになっているのですね。それを見る限り、主要な検索エンジンからは『誕生』のレビューには辿り着かないらしいのです」

 

● それは大きいですね。

 

「ちなみにこのブログ、一時期まで最もアクセスされるキーワードが『恋愛スピリッツ 実話』でした」

 

Googleで検索すると2番目とかに表示されていました。

 

「なんでやねんと思うけど、『耳鳴り』のレビューにそういうことを書いたからなのかなあ。ちなみに実話ですよ、えっちゃん (橋本絵莉子) が高校時代に書いたメモが歌詞の元になっています」

 

NHKの2008年武道館特番で言っていましたね。さて、話を戻しましょう。『誕生』のレビューみたいに、検索エンジンに登録されるのって時間かかる時がありますもんね。

 

「それでも既に『誕生』にまつわる記事を何本か書いていたので、そっちで来てくれた人もいたのだろうと思ってます」

 

● じゃあ、武道館の翌日はなんであんなにアクセスがあったのでしょう。

 

「これは単純に、Twitterのおかげです」

 

● 6月の終わりに始めていました。→ DDfL (@_DDfL_) | Twitter

 

「ただし、武道館の日までフォロワー数は1人しかいなかったんですよ。それにも関わらず、結構な人数がTwitterから飛んできてくれたみたいです」

 

#チャットモンチー武道館ハッシュタグを付けたのが良かったんですかね。

 

ハッシュタグの効果は大きいと実感しましたね。正直ハッシュタグは懐疑派だったんですが、すみません、ナメてました」

 

リツイートとかもされてないにも関わらず、多くの人がブログに来てくれましたもんね。

 

「アイコンもヘッダーも設定していない、エントリのキャッチも無地のいかにも怪しいアカウントなのに、来てくれた人は勇気あるなあと思います」

 

● あ!それでアイコンを作ったんですか。

 

「そうです、見てくれは大事だよなあと思いました。同じタイトルの記事があったとして、アイコンあるなしのどっちかしか読めないならあるほうを読みたくなるでしょ?」

 

● まあ、そうでしょうね。それに文章を書いた以上、誰かに読んでほしいですもんね。

 

「偏ったことばっかり書いているので、読まれなくてもいいやとか最初は思っていましたが、ニヒルに構えるのはやめます。読まれないのは寂しいもんな」

 

● その調子でお願いします。

 

「でも意思が弱いので過度な期待は禁物です」

 

● またそういうことを言う。じゃあ、そろそろ締めようと思いますが何か言い残したことはありますか。

 

「最近になって初めて、読者になってくれた方やTwitterをフォローしてくれた方がいらっしゃるんですよ。チャットモンチーを好きな人にちゃんと伝わった気がして嬉しかったです。」

 

● 本当にありがとうございます。さて、こなそんフェスももう来週ですね。チャットモンチーとしては最後のステージですが、このブログはどうなるんですか。

 

「これからも続きます。今後は作品のレビューとコラムを中心に更新していこうと思っていますので、よかったら覗きに来てみてください」

 

● 綺麗にまとまりました。

 

「自演だからね」

 

 

 

おわり

 

チャットモンチー完結展に行ってきました

行ってきましたと書きつつ、実際に行ったのは7月5日、つまり武道館公演の翌日なんですけども。完結展自体は7月10日に終了しています。時間経ってるのは許してね。

 

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さて、思い出すのも蒸し暑い7/5午前。ワタシが会場であるGALLERY X BY PARCOに着いたのは10時40分ごろでした。しかし、開場前だというのにすでに長蛇の列ができている。ひえー、覚悟していたとはいえこれはきつい。しかし、ワタシが並んだあとも続々と人が集まってきて、これでもまだマシな方だったと思い知る。

 

当日はあいにくの雨模様で (この日の東京は小雨でした)、みなさん並ぶのもしんどそう。

 

開場に先立ち、濡れた傘を入れるビニール袋が配られ、入場するときにはちゃんと入れなきゃな、でも今入れたら自分が濡れるよなとか迷っているうちに11時を迎え、開場。しかしあまり広くない会場、ゆえに入場制限がかけられます。入場にはもう少し時間がかかりそう。

 

しばし待つ事20分、やっとこさ自分の番になり入場。入場時に特典としてバックステージパス風の入場パスをいただく。さすがライブバンド、粋ですね。そして会場内はごった返し。大盛況でした。じっくり見ようと思うと大変だぁ...

 

展内は大きく分けて3つのコーナーに分けられていました。まず、インタビュー記事やフライヤーを年代ごとにまとめたヒストリーのコーナー。そして歌詞の草稿やデビュー前の諸々を集めた資料のコーナー。そして、ノベルティやポスターを集めた販促物のコーナーです。このうちヒストリーのコーナーのみ撮影禁止で、後のコーナーでは撮影OKでした。

 

また会場内ではチャットモンチーのMVがループで流されており、視覚にも聴覚にもチャットを楽しめる空間となっていました。

 

特にワタシの興味を引いたのは資料のコーナーでした。すごい。ファン垂涎の資料の数々が。しかも、ほとんどが初見の資料という豪華さです。かの伝説、ソニーに送ったデモテープの封筒も見れるなんて!目立つように、封筒の表にでかでかと「私達がチャットモンチーです♡」と書いてある事は知っていましたが、想像を超えてでかかったです。勢いがすごい。

 

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それはさておき、ワタシの尽きない興味として「チャットモンチーはアマチュア時代にどれだけ曲を作っていたのか?」というものがあるのですね。今回の展示ではそれにまつわる資料もたくさん見られました。素晴らしー!

 

まず、デモテープを入れたMDが展示されていました。収録曲は"手の中の残り日""シャングリラ""コスモタウン""あいまいな感情""プラズマ""マイ ビジョン*1""夕日哀愁風車""どなる、でんわ、どしゃぶり""紅色の錆*""トナカイ*""キャラメルプリン""""A little money she had*""おとぎの国の君"の全15曲 (*のついたものは未発表曲)。

 

このMDがいつ作られたのかは残念ながら記載がありませんでしたが、この時点ですでに『耳鳴り』の曲も結構あったことが分かります。そして"トナカイ"という曲が存在することは知っていましたが、"紅色の錆"や"A little money she had"は初めて聞きました。どんな曲なのでしょう。

 

また、デモテープオーディションのエントリーシートもあり、 そこには"three sheeps*2""惚たる蛍""サラバ青春"の3曲が。こちらはすべて自主制作盤チャットモンチーになりたい』の収録曲ですね。この2つの資料だけ見てもかなりの数の曲を作っていたことが分かりますが、ドラマー募集のフライヤーには約20曲あるとの記載がありました。すごいなあ。

 

さて話は変わりまして、直筆歌詞コーナーもワタシを魅了しました。歌詞の草稿ならば『表情』のブックレットにも掲載されていましたが、本展ではそれ以外の歌詞の草稿を見ることができました。

 

展示されていた歌詞 / 草稿は"湯気""バスロマンス""意気地アリ""手の中の残り日""ハナノユメ""リアル""マイ ネオムーン イズ ヒア""""サラバ青春""ミカヅキ""迷迷ひつじ"と非常に大量。"マイ ネオムーン イズ ヒア"の初期タイトルが"ネオ・ムーン・イズ・ヒアー"だったことを知れて感激。そして3人とも、書き方も違うし当然字も全然違っていて面白い。えっちゃん (橋本絵莉子) の歌詞ノートには歌詞に込めた気持ちなんかも書いてあって、どんな気持ちで書いたのかを少しだけでも触れられた気がして嬉しかったです。

 

資料のことばっかり書いているなあ。あ、そうそう。販促物のコーナーの奥では貴重な映像も見ることができました。視聴機は4台あり、それぞれに違った映像が。

 

まず2006年のスペースシャワー列伝より、"湯気"のライブ映像。えっちゃんの前髪が長くてちょっと新鮮でした。

 

2つ目。2011年の"染まるよ"ライブ映像。テレ朝ドリームフェスティバルのもので、会場は武道館。

 

3つ目は2人体制の"恋愛スピリッツ"のライブでしたが、人混みと時間の関係上で未視聴。多分2012年のSWEET LOVE SHOWERの映像だったはず。

 

そして最後。”たったさっきから3000年までの話”のMVメイキング。『レストラン 前菜』のMVメイキングが結構好きなので、これも面白かったです。以上、うろ覚えですが多分合っているはず。ここは空いたときに来た方が楽しめたかもしれません。やむなし!

 

会場に順路はなく、好きなところから見て回れるようになっていたのですが、たった2コーナーを見ただけで滞在時間はすでに1時間をオーバーしていました。時間が足りなさすぎる。

 

という訳で、比較的空いていたメッセージノートのコーナーでメッセージを書き、それからヒストリーのコーナーを眺めに行きました。 初期のものは特に貴重で、多くの人が足を止めていたポイントだったと思います。

 

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ただ、それ以上にインパクトがあったのは「チャットモンチー成長記録暴露グラフ」と題された、完全主観のグラフです。特に"染まるよ"事件が強烈。その事件は各所でその余波が語られていますが、余程のことだったんだなあと改めて窺わせる記述です。"染まるよ"は今やチャットを語る上では絶対に外せない曲なんだけどね。

 

さて、会場の展示物は全て見れたことだし、一人で来ているワタシには顔出しパネルで写真を撮る勇気はないし、そろそろいいかなと思ってGALLERY Xを出たのは12時40分のことでした。待機時間も合わせると実に2時間の滞在。長丁場でしたが、非常に有意義な時間を過ごせました。行ってない人はぜひ!と宣伝できないのが惜しいです (さっさと書けばよかったのにね)。

 

ライブレポートというよりはただの日記でしたが、たまにはこういうのもいいよね?読んでくれてどうもありがとう。

 

 

 

*1:現在は"My Sugar View"に改題、『Awa Come』収録

*2:「sheeps」となっているけど間違いではないです

CHATMONCHY LAST ONEMAN LIVE 〜I Love CHATMONCHY〜 at 日本武道館 2018/07/04 感想その③

これでさすがに武道館の感想は最後です。

 

↓前々回

ddfl.hatenablog.com

 

↓前回

ddfl.hatenablog.com

 

 

シャングリラ

 

万雷の拍手の中、チャットモンチーがステージに帰ってくる。恒岡章さんも一緒です。

 

そしてあの4つ打ちが!ということはつまり”シャングリラ”の時間ですね。代表曲をここで持ってきました。銀テープも発射され、テンションがぐいぐい高まっていく。

 

そして歌詞の”シャングリラ”はほぼ客席に丸投げ。なので武道館内に生声の「シャングリラ」がこだまする。

 

いつもと少し違ったのは、メンバー紹介兼ソロパートが用意されていたこと。恒岡さん→あっこちゃん (福岡晃子) →えっちゃん (橋本絵莉子) ギター→えっちゃん歌という順番でソロを回す。えっちゃんが歌で”長い目で見て”をぶち込んできたのが嬉しい。そして可愛かったよ。

 

アウトロで音を伸ばしているのを見ていると、「この後に演れる曲なんてあるのか?」って気になりましたがまさかの…

 

風吹けば恋

 

“風吹けば恋”!まるで2010年のROCK IN JAPAN FES.の時みたいな入り方でした。ここはひたちなか?いいえ、九段下です。

 

そういえば”風吹けば恋”が初披露されたのも、確かこの武道館だったはずです。あの時はまだ未発表の新曲で、お客さんは「何事だ」みたいな感じで圧倒されていたのが『レストラン メインディッシュ』で見れます。

 

それが今やアンセムのように鳴り響き、館内のいたるところで手が上がる上がる。

 

個人的にはいつか聴きたかったポイントである、ソロ裏で恒岡さんが叩くカウベルや、ブレイクのえっちゃんのクランチギターが聴けてよかった。

 

恒岡さんと一緒に演るのはここまで。ふたりと抱き合ってステージを降りていきます。素晴らしいドラムでした。

 

そして最後のステージ転換が。バンドセットが片付けられ、代わりにステージに現れたのはグランドピアノ。この時、ワタシが今回のステージに感じていたものの正体が分かりました。

 

これはあれだ、ピアノとかの発表会だ。

 

アンプなどの固定された機材群はなく、広々としたステージ。けれどその広さはパフォーマンスの可動域を広げるためではなく、最大9人編成にもなる奏者の多さを受け止めるために使われている。「チャットモンチー・アンサンブル」でえっちゃんが座って歌っていたのもそれらしい。

 

武道館という最高のホール会場。そして何より、最初にあっこちゃんが「見守られている感じがする」と言っていました。ならばこれは、発表会と言ってもいいのではないでしょうか???

 

まあ、実際の発表会なんて見に行ったことはないので発表会の雰囲気なんて想像でしかないけれど...

 

誤解なきように言っておきますが、だからといってオーディエンスが保護者だったわけではないです。最後の最後まで新しい姿を見せ続けるチャットが何を繰り出してくるのか、そしてチャットがこれまで生み出してきた偉大な発明を、今一度いっしょに体験していたのだと思います。プレゼンって言ったら音楽にはそぐあわないかもしれないから、やっぱり発表会っていうニュアンスが近い気がするのですね。つまり、チャットモンチーとは発明なのです。

 

思えば今日このライブでは、チャットがこれまで歩んできた歴史のほとんどが随所で顔を覗かせていました。

 

冒頭で最新の「チャットモンチー・メカ」を、"惚たる蛍"ではアコースティックやアマチュア時代を彷彿とさせる2人体制を、"染まるよ"では2人体制のバンドサウンドを。

 

舞台は転換し、誰も見た事のない「チャットモンチー・アンサンブル」を。けれど、世武さんのアレンジは「乙女団」を伺わせる。そして常岡さんを呼び、3ピースを披露しながら「男陣」にも触れている。

 

と、こんな感じで疾風怒濤のごとく13年の歴史を駆け抜けたわけですが、まだあと大事なひとピースが埋まっていません。でももう半分以上は触れている。となるとアンコールを締めるのは...

 

サラバ青春

 

『chatmonchy has come』の最後を飾る、"サラバ青春"がこの日の、ラストワンマンのクローザーとなりました。お気づきの方も多かったと思いますが、アンコールの曲は全てくみこん (高橋久美子) の作詞曲でした。やはりこのピースは、どれだけ変化を続けても欠かす事はできません。グランドピアノをあっこちゃんが弾く弾き語り形式での披露となりました。

 

直前のMCで、チャットのふたりはもう涙涙といった感じでした。「どんな精神状態になっているかわからなかった」とのことで、チャットのライブにしては極めて珍しく一緒に歌おうと呼びかけられる。ワタシの周囲からも、というか会場のどこからもすすり泣く声が聞こえていました。そしてえっちゃんも、声を詰まらせて歌えない。

 

けれど不思議なことに、ワタシはまったく涙が出てきませんでした。それどころか、これはチャンスだとすら思っていました。最初で最後の、チャットと一緒にチャットの歌を歌えるチャンス。

 

この公演名が『〜I Love CHATMONCHY〜』であるように、今日のライヴではチャットのことを好きでよかったと思える瞬間がいくつもいくつもありました。ずっとチャットの演奏を、えっちゃんの歌を聴いていたかったです。

 

でもそれと同じくらい、チャットの曲を、ギターをコピーすること・歌詞を読むこと、歌うことは自分の今までの中で決して小さくないウエイトを占めていました。冗談抜きで、ワタシの音楽の基礎はチャットモンチーなのです。

 

だからこそ、ワタシは泣いている場合ではなかったのですね。今こそ恩返しのときだと思いました。冷静に考えるとなかなかに不遜です (そしてこれを書いている今頃になってちょっとうるっときた)。そんなこんなで”サラバ青春"、頭から最後まで歌わせてもらいました。

 

そして演奏が終わり、”びろうど”が流される中、チャットのふたりは長い抱擁を交わしたあとで去っていきました。これで正真正銘、ラストワンマンの終わりです。たぶん2時間30分を超えていた長丁場ながら、全くそんなことを感じさせない、至福の時間でした。ほんとうにありがとう、チャットモンチー

 

あとは普通に帰っただけなので、これでこの激長ライブレポートも終わりです。全部読んでくれた人も、部分だけ読んでくれた人もありがとう。武道館、最高だったよね。

 

※7/7追記。せっかくなので、記念品の写真を載せておきます。

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